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 ✤ エスアイ
Posted on 21.2009
エスアイ一点も残してなかったーーっと慌てて画像探し出してUP。
この画像のコネタも掘り起こせたら後日UP。


2002年頃の作品。

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高台から見た焼け跡には、からからとした風が遮るものもなく通り抜けていた。

永遠に失われてしまうとは、そういう事だ。

いずれ再建もされようが、それはまた、そこからの歴史だ。



この場所を離れて、

あたしは、何処で大人になるんだろう。









『子供じゃないっ』

聞き慣れた言葉に、もうエースは口の端を上げただけで何も言わない。
邪魔された事を怒りもせずに、意識を机の上に広げた書類に戻す。
エースの背中を睨みつけたけれど、あたしがいる事なんか忘れたみたいにペンを走らせている。

確かに、大人でもないと思う。何もかもが中途半端だ。この小隊での自分の存在も。
目的はある。ここにいる理由はある。でも、足元が不確かに揺れているようなこの感覚は、何だろう。

今は、理由がある。ここにいる理由がある。
だけど、この先、理由がなくなって、あたしが本当に何も持たないただの子供になったら、
みんな、あたしを置いて行ってしまうだろうか。



「アイラをからかうんじゃないよ」

ノックの音とともに入って来たクィーンは、あたしの膨れっ面を見るなりそう言い、エースの前髪を指で弾いた。

「話の前後も知らないでイキナリそれですか。どーして俺を悪者にしたがるのかねぇアンタは」
「でも、間違ってやしないだろう?」
「・・・・・そうなのか?アイラ」

エースがこっちを見て、また口の端だけを上げて笑う。
悪いのはあたしか?あたしなんだろうか。

・・・あたしだ。
エースは仕事をしているのに、うるさく話しかけて。

あたしは膨れた顔のまま、エースの部屋を飛び出した。
きっとエースはクィーンに、両手をひょいと広げて、首をすくめて見せただろう。





宿屋の裏に回って、しゃがむ。
こんな時に、本当に行く所がない。


あたしはきっと、どんな馬鹿なことをしても、許してもらえる事を確かめたいんだ。
許して、庇ってくれる手が欲しいんだ。



まだ、子供でいいのなら、


子供は、帰る場所がなきゃ生きていけないから、

あたしが本当に何もないただの子供になっても、      置いて行かないで。






「終わったぞ」




(2002.12.6作品)
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cetegory : 幻想水滸伝二次創作  ✤   ✤ 
2009年04月21日(火)  16:29 by 菊永まき

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