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 ✤ 七夕SS
Posted on 26.2010
時代物でSSを書くのは、苦手意識が強くて中々書けないのですが、
二世はいけるかなと、そんな気のせいに気づかない内に書いてしまえと。
でも、まだまだ真奈×刀儀さんです(苦笑)
しかも、刀儀さん出て来ません。七夕の頃の好感度だとこのくらいかなあ。
でも、ウチの真奈の好感度は四章で既に高いです高過ぎます(笑)
というわけで、雅刀→真奈→刀儀さんなSSです。
基本、これなので、雅真奈好きな方にはごめんなさい。
あと、刀儀さんルートで雅刀がいない筈のところにいたりしても気にしないで。







今日に切ったばかりの笹は、青々としてまだ乾いておらず、葉擦れの音も静かだ。
短冊には 『 早く戦が終わりますように 』 と、書いた。
『 世界が平和になりますように 』 と同じくらい、叶わないと分かって書いた。
でも、向こうでそう書いた時のような、漠然とした思いでは無く、
ああ、これは願いというより、祈りに似ている。








「 ここにいたか。あんた、暇ならこれを縫っておいてくれないか 」

雅刀が着物を手に来て横に立ち、袖のほつれを見せて用件を言った。
絹では勿論なく、綿でもない。目が粗く、祖父母の古い家にあった蚊帳のような匂いがする。

「 うん。わかった 」

受取ろうとして、手に持っていた白紙の短冊を落とし、雅刀が屈んで拾ってくれた。

「 それ、刀儀さんに渡そうとした分なの。でも、願いは無いって。そういうの、持たないんだって 」

「軒猿だからな 」

笹に目をやり、言い放つ声には何の感傷もない。

さっきから落ち込んでいる気持ちの正体に気づく。これは、失恋した時の気持ちに似ている。
軒猿の人は、誰も好きになったりしないだろうから。
でも、私は、小学生の頃に隣のクラスの男の子を好きになった時と同じ、
中学生の頃に一学年上の先輩を好きになった時と同じ、
気になって、姿を捜して、見つけると嬉しくて、少し話せるともっと嬉しくて、
嫌われたくなかったり、好かれたかったり、そんな普通の恋をした。
そりゃあ、ちょっと、・・・・・かなり、年上の人だけど。
軒猿じゃなくても、相手にされてなかっただろうけど、可能性が零と一の差って大きい。
また一つ、溜息をついてしまい、雅刀に誤解のないよう、慌てて言っておく。

「 あのね、雅刀に頼まれた針仕事の事で溜息をついたんじゃないからっ 」
「 あんた、あれは一番の願いじゃないだろう 」

雅刀は私の溜息など気にもせず、笹を見たまま、そう呟いた。
問いかけたのではなく、本当に呟いただけのような口調だ。

「 あ・・・・・、私の短冊?うん。帰れますようにって、書かなかったから?」
「 いや。多分、一番の願いなんてのは強過ぎて、
楽しむ為に用意した七夕の短冊に書ける程、心穏やかなものじゃないと思っただけだ 」

「 ・・・・・・・ 」

「 何だ?」

そうか。雅刀も刀儀さんと同じで、自分の願いは持たないのだろうけれど、だからといって、
他人のそれを理解しないわけではないのだ。
分かってもらえたのが嬉しくて、一番の願いは星でなく、雅刀に聞いてもらった。

「 一番はね、今すぐ、家族に私が無事だと知らせる事。いつかではなく、今すぐなのよ 」

だって、こうしている間も、私はいなくなった子供で、両親も姉も、必死になって捜している。
もう、死んでいるのかもしれない者を、分からず、待ち続けるのは、とても辛い。
生きてるって、何処も痛くしていないって、心配ないって、伝える術があればいいのに。

「 ありがと。少し、すっきりした 」
「 そうか 」

雅刀は珍しく笑ったのに、その手が私の頭上に伸びると、つい、両手で頭を庇ってしまう。

「 ・・・・・何故、身構える?」
「 だって、雅刀すぐぶつもの! 」
「 人をジャイアンみたいに言うな 」

結局、ポカリとやられてしまった。もう、何なんだろうこの人は。
優しいかと思えば突き放されたり、話を聞いてくれたりくれなかったり、
( 私、この前お会いしてから今日までの間に、何かお気に障るような事をしましたか?) と、
これまで何度も戸惑わされたけど、よく分からない人と認識しておけば、腹も立つまい。

「 御使い様ーっ。一緒に夕飯作るー?」
「 うん。作るー!今行くねーっ 」

瑠璃丸君の声に癒されて、軽く伸びをして厨に向かう。
落ち込んでいても仕方が無い。明日、明後日、明々後日と、日々は過ぎていくのだ。
世の理不尽とか、この身の無力とか、あれこれ嘆いている内に、全てが終わる自分にはなりたくない。
それに、零が一になる事だって、あるかもしれない。そう。私が今ここにいる不思議に比べれば。


+ + +


ゲーム中、雅刀の現代人な発言をスルーしまくりな真奈に「気づけよ!」と
ツッコミ疲れたであろう皆様にまたツッコませておく(笑)
ここでの暮らしも悪くないとかいうノリでないと乙女ゲームにならないので、
ゲーム中の発言はあれはあれで。





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cetegory : 乙女ゲーム二次創作  ✤   ✤ 
2010年09月26日(日)  09:21 by 菊永まき

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